アキと私〜茜色の約束〜

もしかして、痛めていた足を…?
悪い想像しか浮かんで来なくて、心臓が緊張と不安で重苦しく震える。

審判とチームメイトが駆け寄り、秋人に声を掛ける。


「おいおい。大丈夫かよ」

「あいつ、わざとタックルしたろ」

「今、秋人が抜けるときついんじゃないか?」


その間も、応援席から聞こえてくるのは私の不安を煽るような声。

18番は、5つ目のファールで退場した。

やがて、秋人はチームメイトにベンチまで肩を支えられながら選手交代すると、そのまま会場を出て行ってしまった。

それからすぐに第二クォーター終了の笛が鳴り響き。
スコア56-40。

リードするも、エース兼キャプテン不在のまま、ハーフタイムを向かえた。


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