アキと私〜茜色の約束〜
アキ、ごめんね。
最期、辛い時に側にいてあげられなくてごめん。
怖かったよね。
苦しかったよね。
悔しかったよね。
トラックが物凄いスピードで突っ込んで来て、どれほど怖くて、どれほど痛かっただろうか。
その後も病院のベッドで長い長い夜を、一人でどれほど寂しかった?
私は…私は…
アキにたくさんの物を貰ったのに、何も出来なくて…
私はこんな自分が、嫌ーー、
「茜」
すると突然、ふわっと優しくて逞しい腕に包み込まれた。
「泣けよ。俺が受け止めてやるから」
温かい…
秋人の腕の中はこんなにも温かくて、心地良い。
「ゔ…っ、うわあぁぁっ……!」
私は秋人の腕の中で、子供のように声を上げて泣いた。
「なぁ茜。この前の約束、果たせなくてごめんな」
そう言って、秋人は頭をぽんぽんっと優しく撫でる。
そして、涙交じりの声で、私を更に強く抱き締めながら、
「俺が茜を幸せにする。この茜色の空とアキに誓って」
そう、言ったんだ。