アキと私〜茜色の約束〜

「なんで言ってくれなかったの?私、お礼も言ってない」

「別にわざわざ言うことでもないだろ?茜が無事ならそれでいい」

「だけど、」

「それに、茜はアキだと思ってただろ?」


返す言葉がなくて、口を噤む。
そんな私に、悲しそうに、ふっ、と笑う秋人。


確かに、アキだと思ってた。
ぼんやりとだけど顔に黒子があったのを見たし、病院で目覚めた時に側にいたし。

病院に秋人はいなかったし。

だけど、秋人にも同じようなところに黒子がある。
それに、秋人も木から落ちた時脇腹を怪我してたんだから、処置していたと考えれば私の病室にいなくて当然なんだ。

それに、貰ったのはオレンジ色のプロミスリングだったのに、なんであの頃の私はそれを宝物箱に仕舞った時にすぐ気付かなかったんだろう…


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