アキと私〜茜色の約束〜
何が絶対見に来い、よ。
何が約束だからな、よ。
私はあんたのためになんか行かない。
応援なんて、しないんだから。
絶対に…
数日後。準決勝、決勝当日。
「うわ…凄い…」
私は声援が飛び交う場内の出入り口付近で、熱気の凄さに呆然としていた。
さすが予選最終日。
盛り上がりも最高潮に達している。
私が到着した頃には準決勝は終わっていて、うちの学校は決勝に勝ち進んでいた。
本当は観に行こうか迷ったけど。
ここに来たら、アキに会える気がして…
私は秋人にバレないように帽子を深く被り、うちの学校の応援席とは反対側の一番端の席に座った。
本当は、国体もウィンターカップも、同じ理由で何度も会場の目の前まで来ていたけれど、中に入れなかった。