アキと私〜茜色の約束〜
茜は寝転ぶ俺の隣りに座ると、持っていたビニール袋から菓子を取り出した。
『じゃーん‼︎新商品』
それを嬉しそに二ヒヒと笑って見せる茜に、胸が温かくなる。
『好きだな。“新商品”』
茜はほぼ毎日コンビニのお菓子売り場をチェックしては、新商品が出るとすぐに買う。
『新商品って書いてあると、食べたくならない?』
『なんか、お前見てると悩んでた自分が馬鹿らしくなるよ』
『秋人、悩み事でもあるの?』
茜は、菓子の箱を開ける手を止めて俺の顔を覗いてくる。
『別に、何もねぇよ』
『私に嘘つくなんて百年早いからね!』
『は?』
『言いたくないなら聞かない。でも、話したくなったり限界になったら、必ず呼ぶこと!』
茜は、『約束ね』と小指を立てると俺の前に突き出す。