アキと私〜茜色の約束〜
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ジリジリジーン!
目覚まし時計の無機質な音で目が覚める。
寝癖でボサボサになった髪の毛を掻き上げると、窓の外に目を向けた。
「またあの夢、か…」
定期的に夢で見る幼き頃の記憶。
確か、私が小学一年生の春だった。
デパートで貰った風船を持ってアキが遊ぶ噴水公園に行くと、不注意で紐を放してしまい風船が大きな木に引っかかった。
私は何の迷いもなく木を登り風船を取ったはいいものの、いざ降りようと下を見ると予想以上の高さに怖くなってしまった。
助けを呼ぶ私の声を聞きつけて来てくれた男の子は、私を安心させるように手を握り締めてくれて。
その手が凄く暖かかったのを覚えてる。
私達はゆっくりと降り始めた。
あんなに怖かったのに、男の子と一緒だと不思議と恐怖心はなくて。
油断した瞬間、私は足を滑らせた。