アキと私〜茜色の約束〜
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それは二年数ヶ月前の高校の合格発表の日に遡る。
当時、中学3年の私はアキに恋をしていた。
夕焼けで茜色に染まる川と土手。
並ぶ私とアキの影がたまに重なると、胸がくすぐったくなった。
「茜は高校行ったら本当にバスケ続けないのか?」
私より10㎝以上高いアキが私をいつもの優しい目で見下ろす。
「うん。私はそんな上手くないし。高校では応援に専念するつもり!ほら、私はアキの応援団長だから」
そう言って二ヒヒと笑うと、「なんだそれ」と飛びっきりの笑顔を見せたアキに胸が高鳴った。
高校でバスケ部に入って三大大会の三冠を達成することが、小学生の頃からのアキの夢。
私はそれを一番近くで応援したくて、猛勉強して同じ高校を受験した。
アキはもちろんスポーツ推薦で合格していたけど、もともとは進学校。
私なんかの頭ではかなりキツイレベル。