アキと私〜茜色の約束〜
だけど、それは長くは続かなかった。
中学に上がったころから、急に秋人の素行が悪くなっていった。
練習も休みがちになり、笑わなくなり、仕舞いには学校もサボって。
バスケ部を辞めた。
どこからか両親の不仲説が浮上し、秋人の素行の悪さがその噂に拍車を掛けた。
その度に秋人は更にぐれるの悪循環。
そんな秋人を見捨てなかったのがアキだった。
黒いオーラを身に纏う秋人に、前と変わらず話し掛けるアキ。
学校に来なければ、練習が終わってから会いに行く。
試合に来なければ、試合の結果を知らせに行く。
ちょっと自主練したければ、秋人を家から引っ張り出して運動公園で一緒に練習をする。
だけど、秋人が前のように笑うことはなくて。
アキに暴言を吐く秋人から、次第に私も距離を置いていった。
そんな秋人に、アキは会いに行くという。