アキと私〜茜色の約束〜
『俺、絶対インターハイ行く!』
帰りの車中、さっきとは打って変わって興奮状態で話が止まらない二人。
『俺だって!インターハイだけじゃなくて、三大大会制覇してやる!』
『じゃあ私は二人を声が枯れるまで応援する!』
あの日、秋人の『約束だぞ!』っていう言葉で、手を合わせて誓ったんだっけ…
「もう、それいつの話よ。小学校の時の話じゃない」
思い出した。
あの時、誰よりも三大大会制覇を熱く語っていたのは秋人だった。
「俺の相棒は秋人だけだろ?」
「ホント、二人とも馬鹿なんだから」
「馬鹿でいいよ」
白い歯を見せて二ヒヒと笑うアキの顔が夕焼けに染まる。
少年のようにあどけなくて、凄くドキドキした。
「そうだ、茜。2月23日予定空けとけよ」
「え?」
2月23日って…私の誕生日だよね。
「話がある…大事な話」
「大事な話って…今じゃ駄目なの?」