アキと私〜茜色の約束〜

聞きたくなった、今すぐに。
アキが余りにも真っ赤に顔を染めて、私と目が合うと恥ずかしそうに視線を彷徨わせるから。

この顔の赤さは、多分夕陽のせいじゃないと思う。


「その日に言いたいんだよ。だから、絶対空けとけよ!」


ビシッと私を人差し指で差しながら念を押してくるアキに、クスッと笑みが漏れる。

その手首には、私が作った赤のプロミスリングが揺れる。

まぁ、いいか。
2月23日になればわかるんだから。


「わかった。空けておくね」

「よし!じゃあ行ってくるわ」

「うん。秋人の馬鹿に宜しくね」


私がそう言うと、アキは満足そうに笑った。



これが、最後に見るアキの笑顔だとも知らずにーーー。


ねぇ、アキ。
アキは私に何を言おうとしていたの?





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