アキと私〜茜色の約束〜

アキとはあれからすぐ、「また明日」って手を振って別れた。

なんの疑いもなく。
いつものように。

なのに、数時間後。
おばさんからの突然の電話で、私はこの時のことを後悔することになる。


【アキが…アキがっ】


ひっそりとした病院の廊下に、バタバタと慌ただしい自分の足音が響く。
もっと早く走りたいのにうまく足が前に出ない。

おばさんの電話口の悲痛な声と、アキの夕焼けに染まる笑顔が頭の中に交互に浮かぶ。

おばさんからの電話だと、うまく状況がわからなかった。

ただわかったことは、アキが事故に遭って総合病院に運ばれたということだけ。


「アキ、アキ…アキっ」


気持ちだけが焦って、足がもつれる。
二階の手術室までの道のりがやけに長い。



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