アキと私〜茜色の約束〜

ふと視界の端に人の気配がして目をやると、少し離れた長椅子に秋人が血だらけの手をだらんと垂らし、力なく壁に身体を預けて座っていた。

髪は乱れ、服は赤く色を変えて。


「秋人!アキと一緒にいたんだよね?何があったの?何で事故なんかに…」


秋人の元へ駆け寄り、肩を掴んで揺さぶる。

ただされるがままの秋人の瞳は生気を失い、目の前に立つ私すら視界に入っていないようだった。

その秋人の様子に言葉を失い、肩から手をだらんと離した。


「あ、きひと…?」


瞬きもしない、色も輝きもない秋人の目から、ツゥーっと一筋の涙が伝った。


「俺が、殺した…」


秋人の言葉は、重く、鋭利な刃物のように私の胸に突き刺さった。

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