アキと私〜茜色の約束〜
ザッ、と足音に気付き振り返ると、部活ジャージ姿の秋人が座る私をいつもの切なそうな表情で見下ろしていた。
「秋人…なんでここに?」
秋人は少し離れて隣に腰を掛ける。
「今日見に来てくれたんだな」
「…別に秋人に言われたからじゃない」
アキがいるはずだったチームが、アキの夢を叶える一歩手前まで勝ち進んだ。
もしかしたら、そこにアキの姿が見えるかもしれない、なんて馬鹿な考えで観に行ったけど。
やっぱり、見に行かなければ良かった…
そこにあったのはアキがいないチーム。
強くて団結力がある、秋人が作り上げたチームだった。
ぐっと拳を握る。
涙が込み上げてきて、堪えるのに必死だった。
やだ。泣きたくない、秋人の前では。
震える唇を噛み締めたとき、首にやや重いものが掛けられて顔を上げた。
「これ…」
秋人が掛けたのは、金色のメダル。