アキと私〜茜色の約束〜
2nd Quarter
翌日、学校に着くと、屋上から【祝・男子バスケットボール部インターハイ出場決定!】と垂れ幕が掛かっていた。
学校中何処に行ってもバスケ部の話題で、特に秋人の活躍振りに女子がきゃあきゃあと騒いでいる。
注目の的である秋人はいつもと変わらない様子で、昨日の泣いてるように見えた背中が嘘のようだ。
少し…
限りなく0に近いぐらい少しだけど、心配して損した。
何なのよ、秋人のやつ。
シラッとしちゃってさ…
ふん、と笑顔の秋人から目を逸らすと、「おはよ!」と弥生が背中を叩いてきた。
「おはよう」
「凄いね。学校中、バスケ部の話題で持ちきり」
「うん…だね」
「観に行ったんだって?決勝戦」
弥生は私の前の席に座って頬杖をつくと、そう言ってジッと見据えて来た。
「どうして知ってんの?」
バレないようにわざわざ帽子を被って反対側の席に座ったのに。