アキと私〜茜色の約束〜

「茜を見たって、バスケ部のマネージャーが言ってたから」

「…そうなんだ」


まぁ、確かに。
あれだけの人が応援に来てたら、一人や二人、知り合いに見られててもおかしくないけど。

でも、まさか一番厄介な弥生にバレるとは。

秋人嫌いの私が試合を観戦しに行ったもんだから、どういう心境の変化なのかと話を聞きたくてウズウズしてる様子が手に取るようにわかる。


「秋人君、どうだった?」


ニヤニヤしながら聞いてくる弥生に、ため息が漏れる。


「どうもこうも、なんで秋人があんなに持て囃されてんのか、私にはわかんない。後半は確かに凄かったと思うよ?だけど、前半なんて全然活躍してなかったし」


秋人はスモールフォワードなのに、前半シュートを放った数は圧倒的に少なかった。

パスを貰ったってすぐに戻しちゃうし。
エースならどんどん点を取りに行きなよって、叫びたくなる程だった。


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