アキと私〜茜色の約束〜

うちのバスケ部は全国区というだけあって、結構練習がハードだと思う。
相当走り込んでるし、それで一試合体力が持たないなんてまずあり得ない。

未だに、秋人軍団に囲まれている秋人に目をやる。

周りは秋人そっちのけで盛り上がってるけど、秋人は何かを考えてるように遠い目をしていた。

グレるまでは、人の目を惹きつけるような笑顔を持った人だったのに。

それが親の離婚でガラッと人を変え、笑わなくなって。
いつしか誰とも口を効かなくなった。

あの事故以来、またバスケを始めて少しずつ笑うようになって、チームメートとはちゃんとコミュニュケーションは取ってるみたいだけど。

心の奥にはいつも闇を抱えいる。
ふとした時の表情が、あまりにも苦しそうで、辛そうで見てるこっちまで気持ちが塞いでしまうぐらいだ。

秋人は秋人なりにあの事故の責任を感じてるのが痛いぐらいにわかる。


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