アキと私〜茜色の約束〜
他の強豪校はほぼ三年が出場しているという不利な状況でのその成績は、非常に素晴らしいと雑誌で評価されていたらしい。
その後、新体制のチームが形になっていき、団結力も上がり、12月のウィンターカップは全国ベスト4に入った。
そして三年に進級し、最後の大会であるインターハイの予選が始まった今、バスケ部は学校中の注目の的なのだ。
いいな、と勝手に盛り上がる弥生に、何がいいのよ、とため息を吐いた。
「昔はあんなに仲良かったのに、なんでこんな仲悪くなっちゃったかな」
そう言う弥生を、ギロッと睨む。
弥生は知らない。
私がどうしてこんなにも秋人を嫌いなのか。
「茜ぐらいよ。秋人君に冷たいのは。秋人君はバスケ部のヒーローなんだから」
ヒーローなんて、秋人には不釣り合いな言葉。
私のヒーローは、あの時からただ一人。
「皆、知らないからそんなこと言えるのよ」
ーーーそう、私は秋人が憎くて憎くて堪らない。