アキと私〜茜色の約束〜
それが悲しいとか、そんなことは思わないけど。
笑って残りの学校生活を過ごせたら楽しいかな、とは思う。
そう思えたのはおじさんと話してからだけど。
私も…また前みたいに笑えるかな…
友達と馬鹿なこと言ってお腹抱えて笑ったりしたのって、随分前の事だから。
「うん、行こうかな」
なんだか少し照れ臭くて視線を手元に落とす。
いつもはごめんの一言だったから、弥生はどんな反応をするだろう。
だけど、なかなか弥生からの返事はなくて。
ちらっと弥生に目をやると、ポカンとした間抜けな顔で固まっていた。
「弥生?」
「ホントっ⁉︎聞き間違いじゃない⁉︎」
耳にキンと来るような大きい声を急に出す弥生に、顔を顰める。