アキと私〜茜色の約束〜
「弥生うるさい」
「だって、いつもみたいに断られるかと思ったんだもん!」
そりゃ声も大きくなるよ、と喜ぶ弥生の姿に、つい釣られて笑みが漏れる。
弥生は中学からの親友で、アキの事故のことも当然知っている。
私がアキのことをどんな風に想っていたかも、唯一弥生には相談していたし。
相当心配掛けたと思う。
おじさんの言う通り、私は笑わなくなって友達付き合いも悪くなった。
そんな私から離れずにずっと側にいてくれたのは弥生。
弥生の優しさに胸が震える思いだ。
「一緒に行ってもいいかな?みっちゃん、咲ちゃん」
みっちゃん、咲ちゃん、とあだ名で呼ぶのは初めてで、少し緊張する。
三年間まともに口を利かなかった私を、この二人も弥生と同じく、気に掛けてくれていた。