アキと私〜茜色の約束〜
「家のあちこちに明希の面影があって、目も耳も、全てを塞いでしまいたかった」
おばさんの言葉にハッと息を飲んだ。
おばさんとおじさんの心の傷は私よりも遥かに深い。
それはわかっていたつもりだけど、それは想像を超えるほどで。
私におばさんとおじさんの闇を全て理解するなんて無理だったんだ。
そんなの至極当たり前のこと。
自分の愛する子供が寝たきりになって、いつ目覚めるかもわからない。
真っ暗な闇に突然覆われて、前に進む道も全く見えなくて。
この先どうすればいいのか。
どこに行けばいいのか。
そんな不安な日々を、二人は過ごしている。
それは長くなればなるほど過酷さを増して、身体も心も蝕んでいく。
私の悲しみと二人の悲しみは比べ物にならないほど、大きさも重さも違う。