アキと私〜茜色の約束〜

なのに、家を売りに出すと言ったおばさんにひどい態度を取ってしまった。

“おばさんはアキを見捨てるんだ!”って…

二人は決してアキを見捨てたわけじゃない。


「おばさん、ごめんなさい。私、わたし…ひどいこと言った」


自分の浅はかな言動にただ情けなくて、嫌になる。

どう謝ったって謝りきれない。
私はおばさんを傷付けてしまったのに…


「茜ちゃん、謝らないで?」


そう言って、優しく微笑むと、いつの間にか私の頬を流れる涙を「あらあら」と指で掬ってくれた。


「私ね、茜ちゃんにはいつもいつも感謝してるのよ。茜ちゃんの存在に、私と主人がどれだけ救われてるかわからないでしょう?」


おばさんは花瓶を持つ反対の手で、私の頭をポンポンっと撫でた。

それは暖かくて、優しくて、懐かしくて。

じわぁーっと心に染み込む。


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