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俺がいなかった数時間で、こんなに距離を詰めてるなんて予想外。
今は俺だけに甘え、抱きついてくれるなこ。
いつかこの場所をginjiさんに取られるんじゃ…。
そんな不安でいっぱいのうちに、打ち合わせは終わったらしい。
みんな帰る準備を始めている。
shikiさんはタバコでも吸いに行ったのか、すでに室内に姿はない。
荷物は車に置きっぱなしだから、特にすることもなく、膝の上のなこと戯れながら社長達の準備ができるのを待つ。
「ねぇ、ジュン。ふわふわの食べたいね」
「ふわふわ?」
「うん、とろーって黄色の」
あぁ、オムレツのことか。
最近のなこのお気に入り。
中に大量のチーズが入っただけのシンプルなオムレツ。
「じゃあ家帰ったらそれ作ろう」
「うん‼︎なこも作りたい…だめ?」
なこが料理に興味持ってる…?
でも、なこ料理ビックリするくらい苦手じゃん。
ケガでもしたら…。
「JUNくん。初めまして」
考え込む俺の方をトントンと叩き、話しかけるのは…。
「ginjiさん⁉︎…初めまして‼︎」
「nakoちゃんを甘やかすだけじゃダメだよ。守るだけなら誰にでもできるんだから」
今俺が考えていたことがわかったような口調。
なんで赤の他人にそんなこと…。
「それだけ。じゃ、また今度ね、nakoちゃん」
それだけ言うと、sakuさんや鹿島さんと一緒に出て行った。
なんだったんだ…?
それにしてもやっぱりオーラが凄い。
女性人気No. 1なのも頷ける。
間近で見るginjiさんの破壊力、nakoだって好きになるかも…。
「ほら、淳行くぞ」
「あ、うん」
考え込んでもしょうがない。
とりあえず帰ったら、なこと一緒にオムレツを作ろう。