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再び真友子さんが泣き止むのを待って、3人で夕食。



誠さんのことには触れず、できるだけ明るい話題を探して…。



「お腹いっぱい‼︎ご馳走さま〜なこちゃん、お風呂入ろう‼︎」

「うん」



食べるだけ食べて、なこと真友子さんがお風呂に入ってる間に洗い物。



今日は真友子さんを甘やかしてあげよう。



しょうがないから、なことのお風呂も譲る。



最後に残ったデカイ鍋を洗っている最中、インターホンが鳴った。



予定なしの来客なんて、ケンさんか雪ちゃんか…



もしくは酔った社長くらいだ。



「はい」



インターホンの通話ボタンを押せば、画面にデカデカと鼻先が映った。



近すぎ‼︎



誰かわかんねぇじゃん。



「淳くん⁉︎まゆちゃん来てない⁉︎」



…誠さんか。



この慌てよう、真友子さんに見せたいくらいだ。



「入って」



オートロックを解除し、部屋の前まで上がってきた誠さんを入れる。



「まゆちゃんどこ⁉︎」

「今なこと風呂はいってる」



そう伝えると、風呂場に向かおうとする誠さん。



「ちょ、ストップ‼︎なこも入ってるから‼︎」



さすがになこのハダカは見せれない。



慌てて誠さんを止めて、ソファに座らせる。



焦りすぎて普段の落ち着き全部どっかに飛んでってるよ、この人…。



「さっぱりした〜淳くんもはいってお…い…ま、誠さん⁉︎」

「…まゆちゃん‼︎よかったぁぁあ‼︎携帯繋がらないし、職場に聞いても有給取ってるとかいうし‼︎心配した…」



素早く真友子さんを抱きしめようと駆け寄る誠さん。



…から逃げる真友子さん。



あれ、仲直りの熱い抱擁じゃねぇの?



「ヤダ‼︎その手で触らないで‼︎このウワキ者‼︎」

「…は?え、ウワキ…⁇」



浮気者呼ばわりされた誠さんは、何のことかわかってない様子。



こりゃ、シロだな。



真友子さんの勘違い確定。



なこの髪をタオルで拭きながら2人の痴話喧嘩を見守る。




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