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風呂から上がったら朝ごはん。
俺は食べないけど、なこはガリガリ過ぎるから無理やり食わせる。
作るのはもちろん俺。
いつか時間が空いたときに、なこには料理も教えよう。
「なこ?お願いがあんだけど…」
「お願い?…卵焼き欲しいの?」
「いや…そうじゃなくてな?」
「要らないならなこが食べる」
話が噛み合ってねぇ〜。
俺が作った卵焼きを小さい口でもぐもぐ食べるなこ。
可愛いから許す。
「あのな?会って欲しい人が居るんだ」
「…怖い?」
「うーん…大丈夫。俺がいるから怖くないと思う」
「…わかった。淳にくっついててイイ?」
「あぁ。無理だと思ったらすぐに言えよ?な?」
ケンさんの強面な顔が心配だけど…。
龍さんは別に顔が怖いというわけではなくて、オーラがスゴイ。
とりあえず行くしかねぇよな…。
「10時には迎えが来るから。着替えようか、なこ」
「何に?」
…あ。
なこの洋服ねぇじゃん。
今まで適当に俺の服着てたからな。
初めて会った時のワンピース?
いや、あれじゃ寒いよな。
ケンさん来るまであと15分もねぇよ…。
「なこ、とりあえずこれ着ろ」
「わかったー」
間違って買ったSサイズの洋服。
メンズだけど、この際しょうがない。
若干ブカブカな気もするけど…。
これもこの際しょうがない。
「お外…久しぶり」
「だな〜。俺に暇ができたら、2人で旅行でも行くか」
「旅行…?」
「そう。少し遠いところに泊まりに行くんだ。自然が綺麗なところとかイイよな」
「淳と2人?怖くない?」
「あぁ。そうだな…あまり人が居ないとこ探してみるか」
一ヶ月も家だけの生活って面白くねぇよな〜…。