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「なこ?俺の仕事はな、嘘が必要なときもあるんだ。今回みたいに、それでなこを傷つけるかもしれない。それでもなこは、俺と一緒に居れるか?」
「…なこ、淳と一緒じゃないの嫌」
「…ん。わかった。俺も極力なこを傷つけないようにするから」
「…ん」
なこを傷つけないように…。
そう思えば何だってできる気がする。
今回の恋は、本当のことを言ったんだけど…。
でも、まだまだこの気持ちをなこに伝えるには早すぎる。
きっとなこは、恋を知らない。
いつか、その時が来るまで…。
この気持ちは温めておこう。
「なこ、風呂入るか」
「うん」
慣れてきたなことの風呂。
他の何が変わっても、なことの生活を変えたくはない。
たとえ、今の仕事に支障をきたす時が来ても…。
きっと…いや、絶対。
俺はなこが1番だ。
今まで1人だった俺にできた、初めての大切な人。
そんな簡単に手放せるわけねぇだろ…。