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「お疲れさまでした〜」
「あ、淳‼︎話あんだけど…事務所寄っていいか?」
「話?イイっすよ」
大掃除ぶりの事務所。
うん…相変わらずスゴイ部屋。
「淳…あのさ……実は………………」
なんて言えばいいんだろうか。
俺には分からなかった。
社長の話が頭に入ってこない。
「淳、どうする?」
「少しだけ、考えさせてください」
事務所に連絡があったらしい。
俺の親が現れたって…。
今更だろ。
俺の記憶にねぇ親なんて知らねぇ。
俺を捨てた親なんて…。
有名になった俺に会いたい?ふざけんな。
どうすりゃいいんだよ…。
「淳…帰るか」
「………はい」
車の中でも上の空。
どうやって家に入ったか、風呂に入ったか…。
いつ寝たのかも、わからない。
二十歳にもなって、こんなに親のことで悩むなんてな…。