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相手はなこの事実上の親だ。



そう簡単にはてだし出来ねぇ。



再び探偵を雇った。



出てきた情報は、なこの親が裏の組織と関わっているかもしれないということ。



なこを組織に売り飛ばして、多額の借金をナシにしようとしてること。



どうにかして止めなきゃいけない。



そう思っても、今の俺には何もできない。



モデルであるという事実が邪魔をして、自分勝手に動けない。



「淳…痩せ過ぎ。水着の撮影遅らせたから…だから飯食え」

「…」

「てめぇ、いつまでそんな生活送る気だ⁈てめぇだけが辛いんじゃねぇだろ」



そんなのわかってる。



プロとして最悪な状況だということも、この生活が無意味だということも。



そして、なこが1番辛い状況だということも、全部全部わかってんだよ。



「今のお前はダメだ。使えねぇ」

「なんで、ケンさんにそんなこと言われなきゃなんねぇわけ?」

「てめぇがそんなんだからだろ…もういい。社長んとこ行くぞ」



仕事なんて手に付かない。



人が…大切な人が…なこが居なくなったのに平気な顔で、笑顔で写真とか撮れねぇよ。



「おぅ、淳。しけた顔してんな〜」

「龍さん…」

「今は社長だっつーの。いいか?社長命令だ、よく聞け」



何?



俺、クビ?



「写真集を完成させろ」

「…は?」

「何がなんでも、だ。写真集を完成させたら、後はお前の自由だ」



…自由?



なこを探せる?






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