teach
「てことで、コイツに任せろ」
「そういうコト。淳くんは最終兵器だから、あと数日はゆっくり待っててね」
ケンさんから紹介されたのは、ケンさんよりももっと強面の人。
あの組の人達と対等な立場で戦えるって言うから、どんな悪者かと思えば…。
話たら、すごく優しいおじさんだった。
「よろしくお願いします。第1に考えるのはなこの身の安全なんで。何かあったらすぐに教えてください」
「わーってるよ。大丈夫だ。淳くんは大船に乗ったつもりで、ね?」
テツさんというその人は、身長が俺より30cmくらい小さい。
それでも、それを感じさせないくらいの威圧感。
多分相当のやり手だと思う。
テツさんに任せれば、きっと大丈夫なんだろう。
それでも不安は取り除けない。
この手でなこを抱きしめるまでは…。
「じゃ、淳。とりあえずお前は無期限の長期休暇だ。ゆっくり寝ろ」
「そうだよ、淳くん。クマすごいから」
寝れるわけねぇじゃん…?
「ありがとうございました。じゃ、俺、家近いんで歩いて帰ります」
「車で送ってくぞ?」
「いえ、歩きたい気分なんで」
家に帰って準備をしよう。
なこを助ける準備を。
具体的な救出計画が決まった今、俺にできるのはソレだけだ。