カーテンの中で先輩とキス
「汗、かかないんですかね?」
あたしがカップルに聞こえないように呟くと、先輩は「あぁ」と囁いた
先輩の声はどこか大人で、それでいて優しくて
落ち着いてて
低いトーンで囁かれたら
もうイチコロで…
あたしは先輩にドップリはまっていた
手を繋ぐのに躊躇いはないが、汗ばむとわかっている
それがやなだけ
「あいつらと距離置こっか」
「はい」
先輩とあたしは歩みをゆっくりにした
カップルとの距離がどんどん離れていく
「…ホントにあいつらえろい」
あたしは見てなかったけど、今、あのカップルがキスしていたらしい