天国への切符
「何時か分かってるの⁉︎門限を守る約束だったでしょ?」
玄関を開けた途端、リビングのドアが開き響いてきた声。
あたしを見下ろすお母さんの顔は明らかに怒っていた。
「変な奴に追いかけられて逃げてたらこんな時間になったんだよ」
「えっ?」
ウソは言ってない。事実だもん。
「変な奴って知らない人?」
「そう」
「変質者?何かされたの⁉︎大丈夫なの⁉︎」
怒ってたくせに慌てた表情であたしの肩に手を置いた。
コロコロ変わりすぎ。
「大丈夫だって、逃げれたし」
「真優…?」
「何?」
また顔つきが変わった。
そしてあたしの顔をジッと見る。
‘‘パンッ!’’
するといきなり頬を平手打ちした。