天国への切符



「いくらなんでも10時は遅過ぎだ」

「…ごめんなさい」

「門限はこれから8時にしてやる」



えっ?マジ?どんな展開?

門限延ばしてくれるの?


「ちょっとあなた…」

「そのかわり。もし守れなかったら、携帯を解約する」

「はっ?何で」

「守ればいいだけの話だ。守ってたら解約なんてされないだろ」

「……何でそうなるんだよ…」




矛盾しているような気がするのはあたしだけ?

解約なんてされたら絶対困る。

つまり絶対に門限を破れなくなるってことでしょ?




「守らないからこうなるんだ。今までお母さんに散々言われてきたんだろ?
それを守ってこなかった自分の責任だ」



お父さんはそう言うと、分かったな?とあたしの顔を真っ直ぐ見つめてきた。

< 107 / 363 >

この作品をシェア

pagetop