天国への切符
「いくらなんでも10時は遅過ぎだ」
「…ごめんなさい」
「門限はこれから8時にしてやる」
えっ?マジ?どんな展開?
門限延ばしてくれるの?
「ちょっとあなた…」
「そのかわり。もし守れなかったら、携帯を解約する」
「はっ?何で」
「守ればいいだけの話だ。守ってたら解約なんてされないだろ」
「……何でそうなるんだよ…」
矛盾しているような気がするのはあたしだけ?
解約なんてされたら絶対困る。
つまり絶対に門限を破れなくなるってことでしょ?
「守らないからこうなるんだ。今までお母さんに散々言われてきたんだろ?
それを守ってこなかった自分の責任だ」
お父さんはそう言うと、分かったな?とあたしの顔を真っ直ぐ見つめてきた。