天国への切符



15歳の秋、あたしは自分の今が苦痛でたまらなかった。



口うるさいお母さん。

いつも帰りの遅いお父さん。

それから、ボケ始めたおばあちゃん。



四人で暮らすこの家が嫌いだった。





おばあちゃんはこの頃訳の分からないことばかり言うし。



ご飯を食べたばかりなのに、ご飯は?とお母さんに聞いたりする。



アレがないと騒いだかと思ったら、でもアレが何だったのかを途中で忘れていたり。



おばあちゃんはお父さんの母親なのに、お父さんはいつも帰りが遅いし、休みの日も接待だの何だのとゴルフばかりでほとんど家にいない。


だから普段のおばあちゃんを見ていないから無関心。



いつもお母さんがそんなおばあちゃんと接している。


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