天国への切符
「昨日さ、あれから帰って説教一時間くらったんだけど」
「サエもかぁ。私も。帰った瞬間から怒られたよ」
「真優んちも?ノアもだよ、酒なんか飲んで何やってんだー!って怒鳴られた」
本当、親ってウザいよねーーー。
翌朝の教室。
聖子の言った言葉にあたしたちはウンウンと大きく頷いた。
みんなの家もそんな感じなんだな、と思うと不思議と安心する。
誰かと同じ、みんなと同じなら自分だけじゃないのだとホッとする。
同じじゃないと、いつも不安になった。
携帯だってそう。
最近サエが新しい機種に変えれば聖子も同じものに変え、ノアもそれに変えた。
そしたらあたしもついてかなきゃって、同じものが欲しくなった。
だけど…
「まだ使えるでしょ?壊れてもないじゃない」
お母さんはそう言って、まだ変えてくれない。