天国への切符
だけど最近は、おばあちゃんとろくに話をしてない。
だって別に今はこれといって話すこともないし。
話したところでまともな会話も続かない。
それに…あたしはこの家がキライだし。
開いていたパンフレットをパッと閉じた。
そして無造作にそれをテーブルの上に散りばめると、ジュースを飲みながら二階へと上がった。
だけど何故か、ずっとモヤモヤしてた。
ベッドにボスッと体を沈め、ゆっくりと目を閉じる。
なんかもう…全部わかんない。
おばあちゃんのこともキライなわけじゃないし。
訳の分からないことを言ってる時はいなくなってほしいと思ったこともあるけど…
でも、いざそうなるんだ…って考えたら胸がギュッとなった。
お母さんがふたりいるような家だったのが、いつからかおばあちゃんはやっぱりおばあちゃんになってて。
お母さんはひとりで。
おばあちゃんもひとりで。
あたしが成長してきた分、おばあちゃんもそれだけ歳を重ねてきたんだな…なんて。
複雑?
ううん。でも、仕方なくない?
人間いつかはいなくなるし。
ずっと今が続くわけじゃないし。
あたしだっていつかは、ボケちゃったりするかもしれない。
誰だっていつかは…
死んじゃう時が来るんだから。