天国への切符
「真優〜!ご飯出来たわよ〜⁉︎」
聞こえてきた声に、重いまぶたがゆっくりと開いた。
時計を見ると7時過ぎ。
帰ってきてから制服も着替えずにずっとここから動いていなかったことに気付いて。
適当に部屋着に着替えると、モヤモヤした気持ちのままリビングへと向かった。
「寝てたの?ここに変なクセついてるわよ?」
「…風呂入るしほっといてよ」
髪を触ってきたお母さんに、何故かとてもイライラした。
「真優はどんな真優でも可愛いのよ、ねー?真優」
だけど目の前に座るおばあちゃんがニッコリ笑ってあたしにそんなことを言うから。
イライラなんて一瞬で消えちゃって。
また胸がギュッと痛くなった。
バカじゃない?
おばあちゃん、もうすぐここからいなくなるんだよ?
まだ知らないの?
さっきのパンフレットはどこにいったの?
キョロキョロとリビング全体を見渡してみたけど。
「どうしたの?真優」
お母さんがそんな風に聞くから黙ってご飯をかきこんだ。