天国への切符



「ただいま」



その時、リビングのドアが開いてお父さんが帰ってきた。



「お風呂先に入る?」

「いや、先に一緒に食べるよ。家族みんな揃ってるんだし」

「ふふっ、そうね。じゃあすぐ持ってくるから座ってて」



黙々とご飯を食べていると、お母さんとお父さんがそんな会話を交わしてて。


お父さんはおばあちゃんの隣に座った。



そして、「いただきます」と手を合わると、ご飯を食べ始めた。



すごく変な光景だ。

こういうのって普通の家では当たり前なのかもしれないけど、うちではすごく珍しくて。



晩ご飯を食べる時間帯にお父さんが帰ってくるってこと自体に違和感を感じるくらい。


とても変な気分になった。


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