天国への切符
「はぁっ…」
相変わらず、息がつまる家だ。
自分の部屋に入った瞬間、ホッとする。
今さら家族団らんとか…ウケるんですけど。
ベッドに寝転び、ボーッとしながら天井を見つめた。
結局、おばあちゃんが邪魔になったから追い出すくせに。
ボケてきたおばあちゃんの面倒を見れなくなってきたからでしょ?
お母さんだってそう。
「面倒くさいでしょ、おばあちゃん」
あたしが前にそう聞いた時は…
「お母さんは面倒くさいとは思ってないわ。おばあちゃん頭がおかしいわけでもない。ただ…忘れたくないものも忘れてしまう病気にかかってしまっただけなの」
あんなこと言ってたくせに。
結局面倒くさくなったんじゃん。
いなくなったり探しに行ったり、おかしな行動をとるおばあちゃんに、結局面倒くさくなったってことでしょ?
だったら最初から良い人ぶんなっつーの。