天国への切符



「ちょっと!どこ行く気よ⁉︎」


「いいからついて来いって」




そう言いながらスタスタと歩いていく吉岡の後をついていくと、ある場所へと着いた。




「てゆーか、何で屋上?」

「ん?天気良いから」

「いやいや、寒いし」

「日向は結構あったかいぞ?」



吉岡はそう言うと屋上のど真ん中あたりに座り、そこにあたしのお弁当袋を置いた。



つまり、ここで食べろってこと?



「屋上でお弁当食べるとか初めてなんですけど」


「お、初デビューか!おめでとう!」


「ふざけないでよ」


「ははっ、ごめんごめん」



訳の分からない行動に最初はムカついてたけど。

誰もいない屋上を見渡すと何故だかとてもホッとしている自分がいた。



「ってゆーかあんたお昼ご飯は?」

「俺?もう食ったけど」



吉岡はそう言うと、紙パックのコーヒーをポケットから取り出した。



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