天国への切符
そして…帰り道の別れ際。
「あとね、バイバイする前に…私からもう一つだけ、真優に話しておきたいことがあるの」
美波にそう言われたあたしは、ゆっくりと走っていた自転車にブレーキをかけた。
「何?」
「うん…サエのことなんだけど」
「うん」
「サエ…肩とか腕にアザがあったんだけど…真優、知ってる?」
アザ?
「ううん、知らない、最近?」
「うん。今日見たんだ。体操服に着替えてる時、偶然見ちゃったんだけど」
「そうなんだ…」
答えながら、ドキドキしている自分がいた。
何でサエの体にアザなんてあるんだろうって。
「この前サエ、顔も腫れてたでしょ?」
「あっ!…そういえばそうだったね」
ドキドキっていうより、心臓がうるさいくらいにバクバクしてた。
やっぱりおかしいよね?
顔だけじゃなくて、肩や腕にもアザがあったなんて。