天国への切符
ひとりになった帰り道。
何故かドキドキする胸の音を感じながら自転車を走らせた。
あいつがあたしにとっても…救世主?
季節外れに転校してきた吉岡。
昔とは見た目も全然違ってて。
最初はとにかく面倒くさいくらい正義感の強さが目についた。
物事の良し悪しをハッキリと見て、それをまたハッキリと口にして。
あいつが教室に現れてから、あいつがいる時の教室は少しだけ変わってて。
悩みを打ち明けた時は、茶化すこともなく、ちゃんと答えてくれた。
泣いた時も、黙って隣にいてくれた。
救世主…か。
そんなことをぼんやりと考えていると、帰り道の途中にあるあの公園で、見つけたんだ。
あいつのことを。