天国への切符

「なっ、何言ってんの……あーっ！もしかしてちょっと触られたからって変に意識しちゃったとか⁉︎」



どうしていいのかが分からなくて。

あたしはふざけたように吉岡の腕をパシッと叩いた。



「……するよ」


「えっ？」


「したくなくても意識するだろ、この歳になったら」



えっ…？



「あははっ、この歳って…ははっ」



分からなかった。

どう答えるのが正しいのか。


だから、ふざけて笑うことしか出来なくて。



「…なーんてな」


「えっ？」


「ははっ、お前もちょっと今意識しちゃったんじゃね？」



吉岡がそう言って笑った途端、一気に力が抜けた。



なんだ…からかわれただけか。