天国への切符
信じられなかった。
お母さんがそんなこと言うなんて。
信じられなかった。
そんなこと思うような人だったなんて。
「最低だね」
「最低でも何でも何とでも言いなさい」
「……バッカみたい」
「……そうね」
お母さんのことを睨みつけながらテーブルを叩き、あたしはスッと立ち上がった。
そしてそのままリビングを出た。
最低。最悪。
信じられない。
本当は面倒くさかった?
一緒にいて疲れてたんだ?
偽善者じゃん。
心配したフリして探しに行ったり。
いつもおばあちゃんのことを気遣ってたり。
全部ウソだったってことでしょ?
本当にありえない。