天国への切符



「…っ…何でっ……」



今さら気付いたってお母さんは帰ってこないのに。



「お母さ……ん…っ」



何度呼んだって返事なんてないのに。



「…さんっ……お母さん!!」




あたしはただ、泣き叫ぶことしか出来なかった。



会いたくても、もう二度と会えないのに。

触れたくても、もう二度と触れられないのに。



ずっとお母さんを呼び続けた。


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