天国への切符



そっとリビングのドアを開けた。


すると、いつもこの時間はダイニングテーブルに座っているはずのおばあちゃんがいない。


ラッキー、お母さんもいない。


…と思ったその時だった。



ソファの上に誰か寝ている。

おばあちゃん…?


そう思って近付くと、そこで眠っていたのは何故か目元の赤くなったお母さんだった。


何でこんなとこで寝てるんだよ。


っていうかご飯は?

殺風景なダイニングテーブルの上。


いつもはラップのされたいくつかのお皿が並んでいるのに。


不思議に思いながらも気付かれないうちに部屋に戻ろうと動いたその時。

足元に落ちていた何かを蹴ってしまい、それがガタンと床で音を立てた。



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