天国への切符



「お母さんは…真優と最後まで普通の生活を送りたかったんだよ」


「…そんな…」


「もしガンのことを話したとしたら真優が普通じゃなくなるからって。お前のことばかりをずっと気にしてた」


「……っ…」





突然知らされた真実は、あまりにも悲しいものだった。


あたしのために…お母さんは変わらなかった。

あたしのために…自分に死が近付いていても…変わらずに生きてくれていた。



知らなかった…お母さんの思い。

気付けなかった、たくさんの優しさ。



あたしは何をしてたんだろう。


お母さんが悩んで苦しんで死と向き合いながらもあたしに変わらず接してくれていた時…あたしは何をしてた?



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