天国への切符



「そっか」



吉岡は前を向いたまま小さな声でつぶやいた。



「あはは!ごめんね、暗いよねー、あたし。ごめんごめん!」



明るく笑った。

あたしにこんなこと聞かされても、吉岡は困るだけだったし。

申し訳ない気持ちでいっぱいになって、それからはただただ明るく振舞った。



「真優ー!」


そしてもうすぐ学校だという時だった。


後ろから聞こえてきた声に振り返ると、聖子とノアがスピードをあげて近付いてきていた。


< 252 / 363 >

この作品をシェア

pagetop