天国への切符



「大丈夫?」



あたしからゆっくりと離れたサエは、うん、と小さくうなずくと、その場に座りこんだ。


ひゅーっと吹いた冷たい風が、あたし達の髪を揺らす。



「…授業始まっちゃってるね。ごめんね」



サエは申し訳なさそうにあたし達に言った。


あたしや聖子達は、目を合わせてその場で輪になって座った。



「いいんじゃん?たまには」


あたしが言うと聖子が笑って続く。


「サボりとか初めてだけどね」


そしたらノアが言う。


「でも超寒くない?」


そしたら美波が肩をすくませて言った。


「寒〜い!完全に目が覚めちゃったね」



五人で輪になって笑ってた。

気がついたら…笑ってた。


久しぶりに五人揃って笑ってた。


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