天国への切符



「え⁉︎遊ばれてた?ひどい!最低じゃん!でも……良かったんじゃない?」

「え?」


サエの言葉に思わず首をかしげた。



「あいつの方が似合ってるよ、真優に」



そう言ったサエの視線の先には、男子たちと爆笑しながら手を叩いていた吉岡の姿があった。



「うんうん、たしかに似合ってるよね」


そしたら聖子までそんなこと言いだすし。


「あ、でも隣のクラスに吉岡のこと好きな女の子いるらしいからくっつくなら早くした方がいいね」


ノアもわけ分かんないこと言うし。



「それヤバイじゃん、告白とかされちゃう前にどうにかしなきゃ!」


美波まで…そんなこと言って。



「…いや、だからそんなんじゃ」



言いかけた、その時だった。



「吉岡ー!」


え?


いきなりサエが、吉岡の名前を呼んだ。


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