天国への切符



「んー⁉︎どしたー⁉︎」


吉岡はそう言いながらこっちに向かって歩いてくる。


ドキドキした。

何故だか分からないけど、心臓がバクバクしてた。



「何?」


目の前で止まった吉岡は、そう言ってあたし達を見下ろす。



「いやっ、えっと…」


吉岡を呼んだくせに何も言ってくれないサエを見ながら言葉につまった。



「だからその…」


この状況を一体どうすればいいの⁉︎


焦りでいっぱいだったその時、サエがあたしの背中をトントンとそっと叩いて。



「今日、真優が一緒に帰りたいんだって」


いきなりそんなことを口にした。



「ちょっ、サエ…」


どうしていいか分からなくて。

思わずうつむいた。



「マジ?」



ほら…なんか引かれちゃってるじゃん。




「ちょうど良かった」



えっ?



「俺もちょっと平野に話したいことあったんだ」




だけどそんな吉岡の言葉に、ビックリして顔をあげた。

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