天国への切符



目の前に座る平野を見つめていると、授業を終えるチャイムの音が鳴り響いた。


と同時に、早くなっていく鼓動。


今日一日、勉強どころではなかった。

受けた授業全て、先生の話も何も思い出せない。


騒がしくなった教室の中で、平野との放課後のことばかりが頭の中を埋めつくしていく。


一緒に帰る。

ただそれだけのことなのに、どうしてだろう…


帰ろうぜ!

いや…そろそろ、行くか!


なんて。最初に切り出す言葉を考えたりしてて。


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